Yさんが最終的に選ばれたのは、典型的な新興住宅地の一角、東側が道路に面した約60坪の敷地です。南側にもほぼ同じ土地があり、すでに工事中の基礎の位置や形から、北側にかなり寄せて総2階の住宅が建ちそうだと予想されました。南側から太陽の光を1階に取り入れるためにはちょっと不利な条件です。
その一方で、愛車M3はご主人さんにとって大切な存在でもあり、まさか雨ざらしで駐車するなんて、絶対に考えられません。少なくとも屋根があり、(それがガレージであれば言うことはありませんが)居間の空間と何らかの繋がりが欲しいというのが、本音だと思われました。
様々なお話をしていく中で、ご自分で描かれた何種類かのプランのスケッチを見せていただくと、やはりガレージの位置と居間の採光の取り方に苦労されているのが見て取れました。ただ、現実には、居間とガレージの関係だけで住まいが成立するわけではありません。他の趣味のための空間や、これから育っていくこどもさんのことを考えた空間、奥様の英会話の能力を活かせる空間の使い方、もちろん全体の予算のことなども考えて、バランスを取らなければなりません。
そんな条件の中で、ガレージと明るく光が射し込む居間とを両立させることは、ほぼ不可能だろうと考えていました。でも、まさか最初からそんなことは言えませんから、Yさんご夫婦との何回かの話を通じて、様々な条件の優先順位などを探っていったのです。 |