模型による検討も終わり、構造や仕上げの検討に入ります。 構造ははじめから木造と決まっていましたが、柱が室内に露出する真壁とするのか、それとも柱を隠す大壁とするのか、屋根を支える構造体(小屋組といいます)をどのようにするのかが検討課題でした。 壁の方式は、柱の割付や窓の形の関係から大壁を基本に、部分的に真壁とすることになりました。また、 小屋組は天井で隠さずに露出することとし、詳細は中澤夫人が大工さんと相談して決めることに。 仕上げは、徳島県産の杉や土壁等の自然素材を中心にして、工業製品は極力避けるという方針が掲げられました。 残念ながら予算の関係で壁の大部分は土壁風の壁紙となりましが、床や天井には杉が、またポイントとなる壁には漆喰や杉板を使用することになりました。 また外部のガルバニウム鋼板と焼杉板はご夫妻の当初からのイメージにあり、またコストも手頃であるためすんなりと決まりました。
私の手元に来たとき、建物計画はほぼ確定してました。 建築基準チェックをしても微量な訂正でクリアしましたし(アドバイザーに建築士がいるんだから当たり前)不明な部分もご夫人の頭の中では決定していた様で、聞けばすぐ明らかになりました。「まだ考案中なんです。」という返事も中にはありましが・・・。さいわいそういった部分は法に関わりがなかったので、『こうする予定』ということで、図面記入したりしました。(笑) こんな具合でしたが、設計図作成は割合順調に進みました。 ところで、今回中澤夫妻から依頼を受けたのは「建築確認に必要な程度の設計図面の作成と、建築確認申請の代行」でした。建築確認には確認申請書と設計図面が必要です。 申請書には施主、代理人、建物概要、工事概要等を記載します。 設計図面というのは簡単に言えば、「建築基準に適合した建物である」ことを第三者に伝えることができうる程度の図面と言えます。この場合第三者というのは、建築確認を下す建築主事に当たりますね。建築主事に適合と判断されて初めて工事に移ることができます。
このほかにも設計図にはいろいろな種類があります。図面の種類が多くなればなるほど建物についての情報が詳しく表れてくるわけです。設計者として設計図を一式作成するとすれば、もっと多くの図面を用います。施工するにあたって、どの専門業者が見ても正確に伝わるのでなければ意味を成しませんから。 その点中澤邸は現場監督がご夫人だったので、逆に多すぎる図面は不必要だったと言えるかもしれないですね。図面がないからこそ現場の状況次第で再検討したり、変更したりもしやすかったんじゃないかな。その分、現場が滞るという難点もついてましたが。 結果中澤邸は、随所に遊びが織り込まれた家に仕上がりましたね。土間のビー玉や、絵画な壁面。遊んだ所や手法はそれぞれですが、ご夫婦を筆頭に棟梁、職人・・(設計者も)プロジェクトや工事に関わった方は皆、少なからず中澤邸で遊び楽しんだような気がします。
大壁 真壁
建築する前に地元役所に建築基準法や都市計画法にその建物が適合しているかどうかの申請を提出して確認を受けなければ工事を着工することが出来ません。 建物規模にあった資格建築士(1級建築士,2級建築士)が建築主の代行として提出することが建築基準法により定められています。