ゲニウス・ロキ
(土地の精霊)
土地の神様、日本では産土神(うぶすながみ)などと呼び、その地の守り神としてお祀りし、建物の着工時などには、地鎮祭を行い、地の神を鎮め工事の安全を祈ります。
ゲニウス・ロキという言葉があります。ラテン語で、土地霊とか土地の精霊と訳されますが、産土神のような鎮守様というよりも、土地から引き出される霊感、土地から連想されるもの、土地の持つ可能性というように考えられているものです。
遠くに見える山の借景を活かした家を考えること、敷地の中央にある一本の木を出発点に建物を構想すること、まわりの風景やその土地に伝わる物語を意識したデザインを考えること、これらには全てゲニウス・ロキの力が働いているということもできます。
最近は区画整理等で矩形に造成された土地が多く、なかなか私達の感覚に働きかけてくるような敷地に出会うことが難しくなっていますが、利便性や広さ・形状などの数字に表されるものだけでなく、その土地のゲニウス・ロキの囁きにも耳を傾けて、敷地選びを考えたいものです。
(喜多順三) |