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4世代8人家族の家
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■家族とは何でしょうか
家族とは何でしょうか。といって、ここで難しい定義するつもりはありません。そこに夫婦がいて、子供がいて、親もいて、その親もいてくれて・・・という、ごく自然な、人類が永い永い間続けてきた営みの姿が、家族なのだと思います。
家族というものへの思いは、時代や育ってきた環境によって人それぞれ違うでしょう。しかし、家をつくるものにとって、その家族が住まう器づくりをお手伝いさせてもらう人間にとって、そこで暮らすご家族の、永い歴史に敬意をはらうこと。そこからすべてを始めなければならないことは確かです。
■家は家族のためのものです
家は家族のもの。このあたりまえのことが、忘れられてしまってはいけません。家を建てることは家長にとって一生の仕事である、などと言うと「時代錯誤」という声が聞こえてきそうですが、その精神はとても大事なことであると思います。家族のために家をつくり、家族を愛し家族を守る。この精神は、いわば家の心棒のようなものではないでしょうか。
昔の家には大黒柱というものがありました。家を支える要の柱です。戦後の住宅は、その大黒柱をなくすとともに、大事な家族の心棒もなくしてしまったように思えます。
この家は4世代8人家族の住む家です。つまり、ご夫妻と3人の子供さん。そして、ご両親とおばあさん。その人たちが同じ屋根の下で暮らす家なのです。僕たちが子供の頃は、6〜8人家族などはあたりまえでした。その時代の家のつくり方と今の家のつくり方は違っています。しかし、かわらぬ家づくりの基本もまたあるのです。

・場所/徳島市
・竣工/2004年12月
・担当/喜多・笠井(義)・笠井(祐)
・写真撮影/幸田青滋

■私たちが家づくりで学ぶもの

いま、家族のあり方が見直され、家のあり方もその家族と不離なものであると考えれてきているのは、歓迎すべきことです。Oさんの家を設計させていただき、Oさんのご家族に接する機会を得て、あらためて家というものが、そのご家族の連綿とつながる歴史の一期間の支えであるということに気づかされました。そしてその時間に立ち会うことことが、すなわち、それを職業とするものの喜びであり、それに応えることが使命であると学ばせていただいたのです。

2階こども室とロフト。床と天井は杉板貼。壁は珪藻土塗。


■古い伝統を新しい人の手で

Oさんのご主人は、阿波人形浄瑠璃「青年座」を結成当初からずっと支えてこられた方です。伝統文化の継承を新しい人の手で、をテーマに掲げ、長年活動をされています。新しい時代に新しい人たちと創り出す伝統芸能は、新しい時代に新しい家族とつくりあげる住宅と同じ意味を持つのではないでしょうか。


■家族とともに日々是好日

Oさんのお父様は、いまも現役の家具職人。一代で会社を興し、家族を養ってこられた方です。今回のOさんの家の造りつけや置き家具のほとんどは、お父様の手によるものです。その家具に囲まれてこれから育っていく子供たち。それを見守る家族。
この家が、永くこの人たちの日々好日の舞台であり、安住の場であることを心より願っています。そして、このような素晴らしい家づくりに、設計者として関わらせていただけたことに、あらためてお礼申し上げたいと思います。

全体監修担当:笠井義文

 

夕景。この舞台でどんな生活が繰り広げられるのでしょうか?


 
 

 
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