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EDIT DESIGN WORKS
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TEL 088-626-6208

 
 
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■はじまりは住宅設計講座

Oさん一家の家づくりをお手伝いするきっかけとなったのは、エディットで行っていた住宅設計講座でした。テーマは「2世帯住宅をみんなで考えよう」、こちらで想定した設計条件をもとに、みなさんにそれぞれの家づくりを考えてもらうプログラムだったのですが、参加されたOさんご夫妻は、独自にご自分達の家づくりを考えられていました。

DKより居間を見る。真ん中の柱が杉の丸太。

そのとき知ったのが、一家の家族構成。「私たち夫婦と両親、おばあちゃんに子供達が3人の8人家族」、ご夫妻が考えられていたのはもちろん「4世代8人家族の家づくり」でした。色々お話を聞きながら、折に触れ家づくりのアドバイスをしていたのですが、今では珍しくなった大家族の家に関心を抱き、あれこれと自分なりにイメージを膨らませたりしていたものです。

このときのやりとりがきっかけで、エディットにO邸の設計を依頼していただき、私が担当することになりました。


■4世代8人が暮らす家

「4世代8人が暮らす家」、幅広い年齢構成に応じた空間のあり方、個人のプライバシーの確保や、家族の集まる場所のあり方、パブリックスペースとプライベートスペースの関係など、考えなければいけないことは沢山ありますが、Oさん自身が望んでおられた、家族が楽しくにぎやかに暮らせることが最も大切なテーマと思われました。
そこで、

 ・一つ屋根の下を感じること
 ・拠り所となる中心をもつこと
 ・家族の気配を身近に感じること

を家づくりのコンセプトにすることにしました。

また、もう一つ望まれていた採光や通風、建築素材などで可能な限り、

 ・自然を活かすこと

も大切なコンセプトとなりました。

■一つ屋根の下を感じること

家は家族の生活の場所であることは言うまでもありません。このとき、大切なのが「同じ屋根の下を感じること」ではないでしょうか。このことは少人数の核家族でも大切なことですが、大家族のO邸にとっては大変重要なテーマと思われました。

同じ屋根の下を感じるには、複雑な屋根形状よりも単純な屋根形状がふさわしいと思います。O邸では片流れ屋根としました。家の内部だけでなく、外部に設けたデッキやバルコニーも同じ片流れ屋根の下にあります。

内部でも同じ屋根の下が意識できるよう、吹き抜けの居間と子供室の天井を一体とし、また2階部分は全て屋根形状なりの天井仕上げにしています。その結果、家の殆どの場所で屋根の形が意識され、同じ屋根の下が感じられるようになっています。

■拠り所となる中心をもつこと

家族が気軽に集まることができる場所、それは家にとっての拠り所となる中心と言い換えることができるでしょう。拠り所となる中心のない家では、家族はバラバラに暮らすことになってしまいます。

O邸の拠り所となる中心は居間です。平面的にも家の中心に位置しているこの居間は、吹き抜けの大空間。全ての部屋はこの居間につながるように配置され、家の中のどの場所に行くにもこの居間を通過することになります。

居間の中心性を高めるために用いられたのが、杉の丸太です。向かい合う2本の柱と屋根を支える梁、これらは構造的に重要な役割を果たすだけでなく、家族の拠り所となる場所を象徴してもいます。

また、拠り所となる中心は外部にも考えました。居間に連続するデッキがそれです。外から見るとステージのような空間は、家の内と外を繋ぐだけでなく、1階の各部屋から直接出られるようになっており、家族が気軽に集うもう一つの中心となっています。

部屋のつながりを考えるためのソーニング図


■家族の気配を身近に感じること

拠り所となる中心をもつことはもう一つの効果をもたらします。それは、家族の気配を身近に感じることです。もし、家に家族の気配が全く感じられないとすれば、それは空き家のようなもの、もはや家族で暮らす意味を見いだすのは難しいかもしれません。

O邸の場合は、吹き抜けに面して個室を配置することで、家の中心である居間からそれぞれの部屋の気配が感じられるになっています。また、デッキやバルコニーを介して個室が向かい合うことで、各個室からも他の部屋の気配が感じられるようになっています。

■自然を活かすこと

人工照明や空調に頼らない自然の風や光が活かされた空間、工業製品ではなく、自然の恵みである天然素材を活かした家づくり、当たり前はあるけれど、とても大切な家づくりのテーマです。

O邸の場合、建築素材はできるだけ天然素材を活用しています。柱・梁の構造材はもちろん徳島杉、外壁には土壁、1階の床は床暖房のためフローリングとしていますが、2階の床や天井も徳島杉で仕上げています。壁や1階の天井仕上げは珪藻土です。

また、通風・採光を考え、どの部屋にも窓は2方向以上設けています。吹き抜けの居間は家中の風通しを良くし、冬はポカポカと気持ちの良い日だまりになります。


■早く帰りたくなる家

竣工後、Oさんご夫妻に家の感想を聞く機会がありました。「元々、みんな家に帰るのは早かったけど、新しい家ができてからますます早くなってきた。」また、「90歳代のおおばあちゃんが新しい家での暮らしに慣れるかどうか少し心配だったけれど、おおばあちゃんのために建てたようだ」とのお話でした。

家族が早く帰りたくなる家とは、O邸のテーマであった「家族が楽しくにぎやかに暮らせる家」そのものだと思い、設計者冥利に尽きるコメントに感激したものです。

デッキの夕景。

O邸は家具職人であるお父さんの手による納まりの良い家具により、究極の「家族が楽しくにぎやかに暮らせる家」へと日々進化を続けているようです。家族にとって「早く帰りたくなる家」は、設計者にとって「次の姿が楽しみな家」であることを知りました。いつまでも、Oさん一家とともに進化するO邸を見守っていきたいと思っています。

設計担当:喜多順三


 
 

 
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