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家づくりの名言
2005.5.25更新
どんな風に自分の命を使うかであり、判断の基本になるのは人生観。まあ例えていうと、「たかが書斎、されど書斎」であってね。その人の生き方が、そういうところ(書斎を持つ年齢)にも現れるんです。
 
(新井 満・作家/電通プロデューサー)
書斎には、趣味を楽しむという隠居的?空間と、仕事のための知的生産空間という二つの性格があると思います。いずれにせよ、家の中にそういった空間が確保されると、家の密度(という表現は変かもしれませんが)がグット高まるような気がします。

また、そのような空間は、持つ人の年齢によっても違ったものになるようです。「自分の命の使い方」などと言われると、ちょっと大袈裟に聞こえますが、それが実感として感じられる年代というのもあるんですね。

笠井義文

2005.5.10更新
ちゃんとしたインテリアデザインができるのは、本当は主婦であるべきです。家をちゃんと管理して、切り盛りできる人だったら、確実にインテリアデザインができる。
 
(宮脇 檀・建築家)
宮脇さんが、料理を初めとして家事全般に精通し、自らもされていたというのは有名な話。「ちゃんとした主婦」の切り盛りする家を設計する建築家としては当然のこと、ということでしたが、なかなかできるものではありません。

ちなみに宮脇さんの言われる「ちゃんとした主婦」とは、家事もちゃんとやれる、ちゃんと教養書も読み、家もよく掃除し、夫にうまいものを食べさせられ、子供の面倒もきちんとみる。面倒みながらちゃんと外に出て、映画もよく見るという、そういう見事な主婦
とのことですが、あなたはいかがでしょう?
笠井義文

2005.4.25更新
昔の人は恐らくつくる行為に対し、誠に謙虚な態度で臨んでいたのではないか。しかも物の本質や機構の隅々まで知り尽くしていたから、頭は柔らかく自由に事に当たって発想できたに違いない。しかもそれをあからさまに表現しようとはせず、もっぱら用に従って形をつくり出していったように見える。
 
(西澤文隆・建築家)
日本古来の建築や庭を実測しつづけ、それをみずからの血肉と化した稀代の建築家の言葉です。先人の残したなにげないものの中に、作者の謙虚な態度を見、安易に建築をつくってしまうことへの警鐘を鳴らされています。

住宅ももちろん歴史と伝統の産物。「丸や三角がところかまわず出てくる堅い頭」の持ち主である我々には、先人の知恵に学ぶ謙虚な心が、もっともっと大切のようです。

笠井義文

2005.4.10更新
具体的にいうと、ここに居ると動きたくない場所が部屋の中にいくつあるかをいうことですね。根がはえてしまって動きたくない場所ですね。家族それぞれに居心地のいい場所をもっていなければならない。
 
(渡辺武信・建築家)
家の中に居心地のいい場所ってありますか? あなたにとって、根がはえてしまって動きたくない場所ってどんなこころでしょうか? もしあれば、それはなぜだろうか?と、一度考えてみてください。

部屋の広さ、明るさ、暗さ、そこから見える外の様子、ソファの調子、タタミの感触、身の回りの物、家族との距離感などなど、いろんな要素が自分の「ここちよさ」に関わっていることが分かるはずです。例えばそれを新しくつくり出すこと、それが設計なんですね。

笠井義文

2005.3.25更新
どんな風に自分の命を使うかであり、判断の基本になるのは人生観。まあ例えていうと、「たかが書斎、されど書斎」であってね。その人の生き方が、そういうところ(書斎を持つ年齢)にも現れるんです。
 
(新井 満・作家/電通プロデューサー)
書斎には、趣味を楽しむという隠居的?空間と、仕事のための知的生産空間という二つの性格があると思います。いずれにせよ、家の中にそういった空間が確保されると、家の密度(という表現は変かもしれませんが)がグット高まるような気がします。

また、そのような空間は、持つ人の年齢によっても違ったものになるようです。「自分の命の使い方」などと言われると、ちょっと大袈裟に聞こえますが、それが実感として感じられる年代というのもあるんですね。

笠井義文

2005.3.10更新
美しい空間は、人々の夢のなかに、いつでも存在する。建築家は、それを引き出し、具体的に展開し、その人たちに見せてあげればよいのだ。それは、彼等の内部から生まれたものだ。
                 
 
(東 孝光・建築家)
人々の夢のなかにある美しい空間。それは、建築ファッション雑誌の中に載っているような、綺麗な、見栄えのする空間ばかりではありません。

自分や家族がそこにいて、喜々として主役でいられるところ。それがその人にとっての美しい空間なのでしょう。まず、住まい手に夢を語ってもらうこと。そして、それを具体化すること。これが建築家の仕事なんですね。

笠井義文

2005.2.25更新
家がいくら便利になり、立派になっても、中に住む家族のイメージがなければ、それはうつろです。家と家族との関係は、機械と使用者の関係とは異っている筈です。新しい家をつくることは、新しい家族のイメージなしではなし得ぬことだと思うのです。
                 
 
(谷川俊太郎・詩人)
学生の頃、谷川さんの新しい家が建築雑誌に掲載されました。そのとき、「住宅と個性」ということを強く印象づけられたことをいまでも鮮明に憶えています。しかし、正直言って当時の僕には、そこでの生活というものが、具体的にどうもイメージできませんでした。

あれから四半世紀。いろんな家族やその人達が住む家を見てきて、家と家族の間には、やはりそれぞれの物語があるのだということをあらためて実感しています。家族の思いを刻む家。家族の暮らしを見守り続ける家。そういう家をつくりたいですよね。

笠井義文

2005.2.10更新
日本のインテリアの魅力は、木の柱、障子、たたみ、土壁、天井、といった白木の木材に統一されたテクスチュアにあるといってよい。人間はもともと生物なのだから、からだに接するところの生物テクスチュアをおけば心が安まるし、それがまた自然でもある。
                 
 
(小原二郎・千葉大名誉教授)
かつて、木と紙と土で造られていた日本の家は、いまやありとあらゆる素材、製品の百貨店になってしまいました。でもその時その時に手に入るものや便利な材料を利用して、家づくりをしてきたことには違いがないのかもしれません。

ただ、流行りには一過性のものと、本質的なものとがあります。初めは奇抜でも、徐々に洗練されながら永くつくり続けられるようなものは、本物なのでしょう。日本人にとっての白木は、きっとそのようなものにあたるのではないでしょうか。

笠井義文

2002.1.25更新
家族のなごやかさを重視して家をつくることは重要ですが、リズムや規律が入っていかないと、家庭は成立しないのではないでしょうか。そのためにも男性の位置が家庭にほしいと思うのです。
                 
 
(三井所清典・建築家)
かつては、「家づくりは男子一生の仕事」と言われました。そしてお父さんは、家の中でイバッてました。信じられない方は、向田邦子さんのテレビドラマをご覧ください。

男、男というと何か叱られそうなこの頃ですが、家の中に、なごやかながらも規律や威厳のあることは決して悪いことではないことでしょう。そして、それを実現するためにはまず、お父さんが「ひとりになれる場所」を確保することが必要なのかもしれません。

笠井義文

2005.1.10更新
茶室というものはほっと一息つける場所でなければならないし、それだけにそこには無限のものがあっていいはずねんですね。ですから、そこには風景もあるし、主と客もあるし、それから何よりも大事なのは、自然と対話ができるということです。
                 
 
(千宗室・裏千家15代家元)
日常の生活空間と違った、かたくいうと精神性の高い、やわらかくいうと癒される空間。それが、茶室の本質だと思います。そこでは、普段の生活では味わえない、心の豊かさを得ることができます。

しかし、住宅の中に茶室そのものはなくても、いろんな場所で茶室が持つ特性を活かすことは可能です。例えばそれは、ホールだったり、客間だったり、書斎だったり、個室だったり、中庭だったり・・・。

笠井義文

2004.12.25更新
住宅が好きだ。建築の中で一番好きだ。一回一回相手にする人間が違うのが良い。あらゆる条件が皆違っていて丁度良い推理小説を息はずませながら、しかも丹念に読み解いて行くようなプロセスが良い。
                 
 
(宮脇檀・建築家)
官庁や大企業が主役の建築も、ささやかな一家族が主役の建築も、いずれも我々の生活にとってはとても大切なもの。しかし、建築家と一緒に「丁度良い推理小説」を楽しむなら、住宅に軍配があがるのではないでしょうか。

みなさんの中には、2005年が「家づくり元年」になられる方もおられるでしょう。是非、ワクワクと息をはずませながら、家づくりを楽しむ良いお年に、していただきたいと思います。

笠井義文

2004.12.10更新
私は、ケチだからなかなかものを捨てないっていう性分のあるけれど、使い古されたものをどうやって自分の味わいに使いこなすかってことを大事にするほうが、ずっと面白いと思う。日本人は新築を好みますけど、永年使われてきたものの味わいを土台にして、それを自分の味に変えていくことのほうが、私はずっと面白いと思うんです。
                 
 
(阿川佐和子・エッセイスト)
阿川さんの言われる「永年使われてきたものを自分の味に変えて」というのは、住宅でいえば、時代や生活の変化に合うように、増築や改修をしながら住み続けていくことだろうと思います。

ただ、それを可能にするには2つの条件があります。ひとつは、建物が永年の使用に耐える強固で安全で信頼のおけるものであること。そしてもうひとつは、住まい手が愛着をもって手入れを怠らないということです。前者はつくる側、後者は住む側の責務ですね。

笠井義文

2004.11.25更新
初めはよくわからなかった民家の魅力というものが、この頃やっとわかってきたような気がします。建物として貴重であることはもちろんですが、それ以上に、各家庭の歴史がその民家の真価ではないか、と思うんです。
                 
 
(降幡廣信・建築家)
降幡さんは民家を現代に再生し続けている建築家。家の歴史を受け継ぎ、将来へ伝えている方です。優れた民家は、その貴重な材料や職人の技に目を奪われがちですが、「各家庭の歴史」にその真価があるというのはまさに箴言だと思います。

そこで生活してきた人々の重み。それを大切にする心から、良い建物が生まれ、それを使い、残し、次の家族につなげていく。現在では、何百年も残る家をつくることはもはや不可能でしょうが、せめてこの心は残したいですね。

笠井義文

2004.11.10更新
家をつくるなら、家をつくるなら/草の萌えるにおいのするカアペットをひきたいと思うのであります/天体観測をする透明な屋根だって欲しいのであります/小鳥がとびかうし花だって咲いてるベッドが欲しいのであります/太陽を盗んできておおぶんとランプにしてストーブにしてしまおう/長い髪と黒い瞳キラキラ星の無口なやさしいあの人をお嫁さんにしたいものであります
         
 
(松山 猛・作詞/加藤和彦・作曲)
今回は歌の歌詞です。71年につくられたこの曲は、ずっと僕の愛唱歌になっています。しかしこうして改めて見てみると、この歌には家づくりのあらゆる想いが込められているんですね。

自然の香り、趣味の装置、実用をこえた実用品、エコソーラーそして愛する家族。もし家をつくるのであれば、夢とそれを叶えるために不可欠なものものを揃えることが、大切なのであります〜。                         

笠井義文

2004.10.25更新
いろんな場所に泊まって、しばらくぶりに帰ってくる。すると、自分の部屋だから、自分の本とか、好きなもの、おもちゃなんかがたくさん置いてある。あらゆる意味において、僕にしか価値のない世界ですよ。ほかの人にはまったく価値のないもの。そこに戻ってきたっていうことは、精神的に安らげる。
                  
 
 
(椎名 誠・作家)
あらゆる意味において自分にしか価値がなく、精神的に安らげるもの。一から自分の家を考えるということは、これを目指すということです。

僕たちは「人の振りみて」というのに慣れてしまい、どうしても人と同じ価値観を持とうとします。でも、自分には何の価値もない他人の価値を、ちゃんと認める人がホントに自由を愛している人なんだろうと思います。人とは違った、人から共感されるような家づくりをしたいですね。

笠井義文

2004.10.10更新
戦後、欧米の生活習慣がはいってきてプライバシーとか部屋の独立性といわれるようになりましたが、それまで日本にプライバシーがなかったわけじゃなく、日本家屋は部屋の独立性がなかったから、遠慮や思いやりという美徳で成り立たせてきたのです。お互いに尊重するという社会的な関係のあり方は、家からうまれていたんです。
 
 
(吉田桂二・建築家)

僕たちの小さな頃は、まだ住宅内に独立した個室の少ない時期でした。たしかに年頃になると、プライバシーが欲しいと強く思うようにはなりました。しかし、生活時間をずらすことや、聞かない、見ないようにするといった心遣いで、家族同士のプライバシーは確保してきたのです。

最近、公共の場で目にあまる振る舞いをする子供をよく見かけます(これは子供に限りませんが)。もしかすると、独立した部屋をつくり過ぎたことが、その原因のひとつなのかもしれません。

笠井義文