●南海地震とは
ここのところ毎日のようにテレビや新聞で南海地震のことが報じられています。近く南海地震がやってくるので、それに備えて云々、というものです。昔から、地震雷火事親父と言って、地震はとにかく怖いものの筆頭にあげられてきました。これは大変大きな被害をもたらすものであると同時に、いつ来るか分からないということがその理由だったのでしょう。水害や台風なども我々にとっては大変怖いものですが、これはある程度予測ができます。ですから、事前にそれに備えることも可能になります。しかし地震はそういうわけにはいきません。このいつ来るか分からない地震。これについては、「いつ来るか分からないものに備えてもしかたない」「用意のしようがない」「もしかしたら運良く来ないかもしれないし」という意見もあろうかと思います。しかし今話題になっている南海地震は、そうではありません。この地震は、近いうちにほぼ確実にやってくるものなのです。
●南海地震の3つの特徴
南海地震には、大きく3つの特徴があります。
一つは、この地震は有史以来90年〜150年おきに、定期的に起こっている地震であるということです。記録に残っているものでは、684年の白鳳地震から1946年の昭和南海地震まで、9回発生したことが分かっています。そして、これは単なる偶然ではなく、ちゃんとした理由があります。前にもお話したように、この南海地震は海溝型の地震で、日本の沖約100kmの深海のプレートの歪みによって起こります。そしてこの歪みとは、弛まなく動いている地殻変動によって発生します。地中のマグマがなくなってでもしまわないかぎり、この活動は永久にまた規則正しく起こるのです。ですから、この南海地震は必ずまたやってきます。今推定されている確率としては、30年以内に40%、50年以内に80%ですが、こういった確率計算は決して100%にはならないので、50年以内には、ほぼ100%来ると考えていいそうです。また、○○年以内ということですので明日起こっても何らおかしくないということでもあります。
南海地震の二つめの特徴は、とても規模の大きな地震であるということです。地震の規模は、M=マグニチュードという単位であらわされます。みなさんもよく「マグニチュード8クラスの地震に耐える・・・」という記事や、「今回の地震はマグニチュード7.2で・・・」というような報道をよくご覧になると思います。一方、地震を表す言葉には、震度というものもあります。マグニチュードは地震のエネルギーの大きさを、震度というのはその地震による揺れの強さを示すものです。したがって、同じ地震でも震源からの距離や地形、場所によって震度が違ってくるわけです。震度は普通、0〜4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階で表され、5以上になると重大な被害が生じます。南海地震は、マグニチュードが8以上の大きなものです。ちなみに昭和南海地震はマグニチュード8.0、関東大震災は7.9、阪神淡路大震災は7.3でした。このマグニチュードという数字は、約0.2上がると2倍の計算になります。したがって、8以上のものというのは、関東大震災の4倍以上、阪神淡路大震災の30倍以上という膨大なエネルギーなのです。ただ幸い、南海地震の場合は震源地が遠くのため、こちらへの影響は弱まります。しかし、それでも震度6強クラスの地震にはなるようです。
南海地震三つめの特徴は、この地震は必ず津波を伴うものだということです。テレビの速報などで「地震が起きました」という後に「津波の心配はありません」というテロップが出ることがあります。これは震源地が内陸であったという意味です。それとは逆に「津波の危険がありますので海岸等には近寄らないようにしてください」というものも出ます。これは、震源地が海の中だということです。南海地震は海の中で起こる地震ですので、必ず津波がやってきます。そしてその高さは、徳島市で3m〜4mだと推定されています。また、その到達時間は、地震発生後40〜50分と計算されています。津波は水深4000mのところでは、ジャンボジェット機ぐらいの速さで進みます。それが、水深が浅くなるにしたがって遅くなり、100mのところでは高速自動車の速さぐらいになります。そして、それとともに水面が上がり高波になります。現在の堤防施設等はこの高さに対抗するように設計されてはいます。しかし、天災とは予期せぬ事態を引き起こすもの。地形やその時の気象条件などによっても全然かわってきますので注意が必要です。南海地震は、このように地震の被害+津波の被害という二重の被害をおよぼす可能性が高い地震でもあるのです。
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