最近、地震のことや住宅の耐震性についての話題や記事等をよく目にされると思います。なかには、かなり専門的なものや難解なことを述べているものもあります。また、必要以上に不安感をあおったり、大袈裟なことを言って一般の人達を惑わすようなものもあります。そしてそれをいかがわしい商売につなげているような人もいるようです。
家づくりや住宅選びで大切なことは、やはり「バランス」だと思います。これは、簡単に言ってしまえば、住宅にかける予算の配分をどうするかということです。限られた予算のうちのいくらをどこにかけるのか。どこに重点的にかけなければいけないのか。それを的確につかむことが大切です。
また、家づくりでは細部にこだわることよりも、トータルで及第点を採ることがより重要です。ですから、耐震、耐震といって、そこばかりにことさらに予算をかけるのも考えものです。世の中には「やらないよりやったほうがいいだろうけど、それってほんとに必要なの?」というものもゴマンとありますから。
住宅の耐震性で、みなさんにはまず第一に知ってほしいのは、合理的な耐震計画をするための、そして地震に強い住宅をバランスよく造るための基本的な考え方です。まずそれを理解して、それを幹にして、枝葉の知識を増やしていただけると、バランスの良い、賢明な判断ができると思います。
ということで、これから何回かをかけて、地震や住宅の耐震性についての基本を、できるだけ分かりやすくお話をしてみようと思います。
●まずは敵(地震)を知ることから
自然現象である地震を敵というのもおかしいのですが、我々にとっては平穏な生活を脅かすという意味で、突然やってくる地震はやはり「敵」であると言えるでしょう。まずは、その敵を知り、味方(地震に強い住宅)を知ることが勝利のセオリーです。住宅の耐震性を述べる前に、この地震について少し見ておきましょう。
地震には大きく分けて、内陸型のものと海溝型のものがあります。これは、地震が発生するところが陸地の下なのか海の底なのかということで分類されています。内陸型のものは活断層型ともいわれ、岩盤の切れ目が急激に動くことによって起こります。一方、海溝型のものはプレート境界型ともいわれ、ひとつのプレートの下にもうひとつのプレートが潜り込むときの歪みによって起こります。
1995年の阪神淡路大震災は内陸型、つい先頃に起こった十勝沖地震は海溝型です。これら地震のメカニズムや予知については、様々な研究がなされ、日々進歩しているようですが、日本を代表する専門家のお話を聞いても、まだまだ分からないことも多いとのことです。いずれにしても、日本から地震がなくなるということはありませんので、地震への備えはどうしても必要になります。
さて、最近世間を賑わせている東海地震、東南海地震、南海地震ですが、これは日本の南約100kmほどのところにあるプレート(フィリピン海プレートとユーラシアプレートの間)で起こるといわれています。静岡以東が東海地震、静岡から紀伊半島にかけてが東南海、紀伊半島以西で起こる地震が南海地震です。そしてこれらの地震は同時に起こる可能性も高いといわれています。
このうちの我々に一番身近な南海地震については、次回に触れたいと思います。
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