僕には親しい医者の友人がいます。体調の悪いときやちょっとした怪我のときなど、しばしばお世話になります。また、家族や近親者に何かあったときもよく診てもらいます。学生の頃からの付き合いなので、普通は聞けないようなことまで遠慮なく相談することができますし、家族ぐるみの付き合いもしています。
病気や治療、病院などについて何か問題や疑問があったら、僕は迷わず彼に相談します。そうすると彼はいつも客観的で正直な見解を示してくれます。その専門家のアドバイスをもとに、患者や家族としての自分なりの判断を下すわけです。つまり、彼は我が家のホームドクターなのです。
医療の世界も最近は大変のようです。医者は病気を治すことだけに専念していればよいわけではありません。健康保険や医薬の問題をはじめ、インフォームドコンセント、セカンド・サードオピニオン、ドクハラ問題など、医者と患者の関係はますます複雑化しており、好ましい信頼関係を築くことがより困難になってきているといえるでしょう。
そのようななかで、何でも相談できるホームドクターとしての友人を持っていることは、とても幸せなことです。おかげで僕はその方面についての客観的な情報をいつでも得ることができますし、専門家としての本音を聞くこともできます。そして、それをもとに自分なりに納得できる判断をすることが可能なのです。
家は、造ることよりむしろその後の維持管理が大変です。天変地異による突発的な事故や住設機器の不具合、老朽化による傷み等を完全に防ぐことは不可能です。それだけに、ことが起こったときの適切で迅速な対応が重要になります。それには、やはり専門化の客観的で総合的な見解が必要ですし、そのアドバイスをもとに住まい手としての賢明な判断が大切です。
住宅の世界も最近は大変です。欠陥住宅、不況倒産、詐欺商法、訴訟の増加など造り手と住まい手の悪しき関係が世間を騒がせています。医師と患者の関係と同様、供給者とユーザーが好ましい信頼関係を築くことがより困難になってきているのです。しかし、このような時代だからこそ、信頼できてなんでも相談できる建築の専門家が求められているのも確かでしょう。
それでは、信頼できる専門家に共通することは何か。医者の友人のことを頭に思い浮かべながら挙げてみると、次のようになります。
1.根が真面目で正直な人柄である
2.どんなときでも面倒がらずに気楽に相談に応じてくれる
3.近くにいてくれる
4.勉強熱心で常に新しい知識を得ている
5.経験が豊富で広い視野を持っている
6.特定の利権とつながりのない立場である
7.物事をあまり悲観視せず前向きに考えられる
8.人の気持ちや人との信頼関係を大切にする
9.仕事が好きである
10.人生を楽しんでいる
こういう人だったらきっと、あなたのよき相談相手になってくれるのではないでしょうか。あなたのそばにこういうホームドクターやハウスドクターがいますか?
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