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あれやこれや住まいを考える


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  地域の景観に調和する住まい

住まい、特に一戸建ての住宅は個人(または家族)の持ち物です。
ですから、基本的にどんな形の建物にしようが、どんな色を塗ろうが自由です。
でも、いくら個人の持ち物と言っても、何でもありではないはず。
例えば、茅葺きの民家と田んぼの見えるのどかな田園風景の中に、ピンク色の家があれば、住む人の感覚を疑いますよね。
じゃあ、昔と同じ茅葺きの家を造れと言うのか!と言われてしまいそうですが、もちろんそういう訳ではありません。
と言うか、個人に押しつけるべきことではないのですね。

また、特に形に関しては、個人の希望より他の条件で大方の形が決まってしまうこともあります。
敷地の大きな農村部では平家のおおらかな家が建てやすい訳ですが、新しく開発された団地では敷地に余裕がありませんからそうはいきません。
都市部では、敷地ぎりぎりいっぱいに3〜4階建てを造る関係で、いわゆるビルに近い形になっているものが増えてきます。

田園地帯で敷地に余裕がある場合は、結果として屋根も大きく伸びやかな形の住まいができやすいのです。
もちろん材料や色の選び方にもよりますが、田園地帯の風景にも馴染みやすい形になりそうです。

住宅団地に建てる場合は、田園地帯ほど敷地に余裕がない場合が多いもの。
必要な面積を効率的にとるため、1階と2階の平面形や面積がほぼ同じ、つまり、同じ大きさの箱をふたつ積んで、その上に屋根を架けたような形が多くなります(これを総二階と言います)。
隣家との距離もあまりとれず、軒や庇の出も小さくなる傾向があります。
家は狭い敷地の中に目一杯建っていて総二階になってしまいますが、あまり格好が良いとは言えませんね。

都市部で計画する住まいでは、周囲に駐車場をとることができず、1階をピロティー(柱だけの状態にした部分)にして駐車場を確保、その上に住まい造るケースが多くなります。
構造的には無理をしますが、ここまでするともう住宅というよりビルと呼んだ方が良さそうな外観になってしまいます。
徳島市内でも、中心部ではこんな住宅や、高い地価に見合った有効利用をはかるため、ショップや事務所を組み込んだ複合的な住宅が多くなっています。

このように、その地域地域で、敷地の大きさや法的規制が異なる関係もあって、似たような考え方の建物が多くなり、その結果として地域の景観を形作っています。
しかしそれだけでは、同じような建物ばかりになってしまい、活気や変化のないつまらない街になってしまいます。
また、住む人の趣味や個性を反映した建物にはなりません。その地域の景観と個性とのバランス・・・、とても難しいことですが、このバランスを住まい手が意識することが大事です。
住まいは個人のものですが、同時に街の一部でもあります。
自分の住まいを建てるとき、このことを是非考えていただけたらと思うのです。

(本田圭一/エディット・デザインワークス)

1 家族が触れあう住まい
2 自然の仕組みを利用する住まい-その壱

3

自然の仕組みを利用する住まい-その弐
4 自然の仕組みを利用する住まい-その参
5 太陽エネルギー利用を考える
6 住宅の素材を考える-その壱
7 住宅の素材を考える-その弐
8 住宅の素材を考える-その参
9 住宅の素材を考える-その四
10 住宅の素材を考える-その五
11 住宅の素材を考える-その六
12 住宅の構造を考える-その壱
13 住宅の構造を考える-その
14 バリアフリーの住宅-その壱
15 バリアフリーの住宅-その弐
16 バリアフリーの住宅-その参
17 バリアフリーの住宅-その四
18 バリアフリーの住宅-その五
19 バリアフリーの住宅-その六
20 バリアフリーの住宅-その七
21 生活の変化に対応する住まい
22 地域の景観に調和する住まい
23 様々な建て方が実現される住まい
24 ストックを活用する時代へ