エディット・デザインワークス
エディットについて
これまでの仕事
エディット日誌
住まいのコラム
家づくりの名言
  あれやこれや
住まいを考える
  住まいと暮らしの知恵
イベント
お問合せ
EDIT DESIGN WORKS
〒770-0814
徳島県徳島市南常三島町1-2
TEL 088-626-6208

あれやこれや住まいを考える


19
  バリアフリーの住宅-その六

現在、木造の家の大部分は「モデュール」という、寸法の規則にのっとって壁や柱の位置が決められています。
「モデュール」という言葉は西欧の言葉ですが、日本にも昔から「木割(きわり)」というものがあり、実は私たちも気付かない内に使い分けているのです。
例えば、1間(けん)と言えば、だいたいの寸法を想像することができますから、この土地は「間口何間」というような言い方をします。
また和室で6畳の部屋は2間×3間であることや、廊下の幅は半間(0.5間)らしいこと、1間四方の大きさが1坪だということも何となく知っているのです。これが「木割」であり、「モデュール」なのです。

なぜこのような話から始めたかというと、バリアフリーの住宅を考えるとき、この「モデュール」が大きな意味を持つからです。
この何十年かに建ってきた木造住宅の大半は、モデュールが91cm(1間=182cm)でした。
この場合、壁の中心線の間隔は、例えば廊下では半間(=1モデュール)が多いですから、実際の有効幅は75cm程度になります。
同様に開きのドアの有効幅では71cm・・・。
廊下に手すりを付けると狭くなりすぎるし、自走用の車いすでは直進はできても部屋にも入れません。
日本の住まいはバリアだらけと言われるのも、前に書いた段差の多さと共に、このモデュールの寸法が小さいことも原因のひとつになっているのです。

では、での程度のモデュール寸法があればいいのでしょう?
単純に言えば大きい方が良いに決まっていますが、その分全体の面積が増えてしまいますから、金額面でも限度はありそうです。
今言われているのは、モデュール=100cm(1m)という数値。このモデュールで建てれば、誰にでも使いやすく、もし将来身体の状況が変化しても対応できると言われています。
この数値100cmは住宅の新築時に、ユニバーサルデザインの住まいを考えるひとつの目安になりそうです。
(住宅の大部分が柱の見える構造(真壁構造と言われますが)の場合はモデュール=95cmでも、ほぼ同様の効果があるとされています。)

ところが、現実にはすでに建ててしまった住まいがたくさんあるわけですから、これらの住まいの改善も考えないといけないし、1mモデュールの住宅が良いと言ってもやはり割高になります。
何か工夫はないのでしょうか・・・?
確かに段差の解消のようには簡単にはいきませんが、いくつか考える方法はあるのです。

そのひとつは、できるだけ廊下を造らないプランを考えることです。居間などを中心にして、そこから各部屋に入れるような間取りにします。
もちろんそれなりの割り切りは必要ですが、特に小規模の住宅の場合などには非常に有効です。
それと同時に、部屋の入口のドアを開きではなくて引き戸にします。
出入口の有効幅を最大限にとることができるのと、身体が不自由になったときにも使いやすいのです。

改造をする場合ですと、よく道路の曲がり角に造られているように、廊下の曲がり角の柱をとって斜めの壁を設けられないかを検討します。
構造上無理な場合もありますが、補強してでもこのような形にすると使いやすさは大きく向上するのです。
出入口も広げられる場合はできるだけ広げ、引き戸にしておくと相乗効果も期待できます。
身体を悪くしてからではなく、今から改善をしておくことで、より安全に健康な状態で長く住まえるのだということ、忘れないでくださいね。

(本田圭一/エディット・デザインワークス)

1 家族が触れあう住まい
2 自然の仕組みを利用する住まい-その壱

3

自然の仕組みを利用する住まい-その弐
4 自然の仕組みを利用する住まい-その参
5 太陽エネルギー利用を考える
6 住宅の素材を考える-その壱
7 住宅の素材を考える-その弐
8 住宅の素材を考える-その参
9 住宅の素材を考える-その四
10 住宅の素材を考える-その五
11 住宅の素材を考える-その六
12 住宅の構造を考える-その壱
13 住宅の構造を考える-その
14 バリアフリーの住宅-その壱
15 バリアフリーの住宅-その弐
16 バリアフリーの住宅-その参
17 バリアフリーの住宅-その四
18 バリアフリーの住宅-その五
19 バリアフリーの住宅-その六
20 バリアフリーの住宅-その七
21 生活の変化に対応する住まい
22 地域の景観に調和する住まい
23 様々な建て方が実現される住まい
24 ストックを活用する時代へ