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あれやこれや住まいを考える


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  バリアフリーの住宅-その四

さて今回は手すりの話です。
手すりは、その役割に着目することで、大きく2種類に分けることができます。
ひとつは、立ったり座ったり寝たりという様々な状態で、安定した姿勢を保って何か行動をするために必要な手すりです。
例をあげると、玄関からホールに上がる時のために、壁に取り付けられる縦型の手すりや、ベッド上で寝返りをうつために、ベッドサイドに取り付ける横型の手すりがあります。
この種の手すりはしっかり握れることが大変重要になります。
ですから、握った状態で指がしっかり裏側までまわるよう、少し細い目の手すり(直径28〜32mm)とし、体重を支えたりしますから取り付けも強固にする必要があるのです。
これを仮に「局所手すり」と呼ぶことにします。

もうひとつの種類は、移動するときに手を沿わせて安定をはかったり、いざというときの手がかりとなる手すりです。
廊下や階段の連続手すりがこれにあたります。
もちろんいざというときは握ることもありますからしっかりした取り付けは必要ですが、手すりの直径は前者と比べて少し太い目(直径32〜36mm)になります。
これも仮に「移動手すり」と呼ぶことにしましょう。
廊下などでは、障害が顕著にあって握ることができない人の場合などは、肘を乗せて使えるように、もっと幅広い手すりや台状の手すりを付けることもあります。
移動中の安定ということも手すりの大きな役割なんですね。

住まいの様々な部分の中で、手すりの取り付けを優先しなくてはならないのは、どうしても段差をなくせない部分です。
階段などはもちろんですが、上に例を出した玄関の上がり框(タタキとホールとの段差)や、浴槽のまたぎ越しの部分などは、ごく健康な人でも、取り付けてあれば知らず知らずの間に握っているほど、必要性の高い手すりです。
階段を別にして、ほとんどは上記の「局所手すり」ということになります。
この「局所手すり」は、段差のない場合でも、浴室の洗い場の前、浴槽の側面、トイレの便器の左右、各室の扉の枠部分など、姿勢を保ちながら何か行為を行う場所に付けると、家庭内事故を未然に防ぐことにつながるのです。
具体的には、縦型や横型、L型の手すりをケースによって使い分けます。

「移動手すり」も階段や廊下だけに付ければよいというものではありません。
浴室や洗面所の中での移動や、居間、食堂、寝室など生活のあらゆる場面で、使う人の身体的な状況に合わせて取り付けることで、ずいぶん日常生活が安全になり、安心して我が家に住まうことができるようになるのです。
その多くは、横型の連続した形状にするのですが、手すりの端の部分は必ず壁側の方に滑らかに曲がった形状にして、身体を打撲したり、袖口を引っ掛けて大事故にならないように取り付けなければなりません。
またこれは「局所手すり」でも同様ですが、使う人の障害の部位、程度、体格などをよく知って、その人に合った取付位置や手すりの形式を選ばなければなりません。
この配慮を怠ると、せっかく取り付けた手すりが使われなかったり、かえって事故を引き起こすことにもつながりかねないのです。
住まいの専門家も、そこに住まう家族も、お互いに対するやさしい気持ちが、基本のところに必要なんですね。

このような手すりの取り付けは、新築の時に行えば一番効果は高いのでしょうが、今みなさんがお住まいになっている家やマンションに、「局所手すり」を必要最小限設けるだけでも、実質的な効果と共に安心感を得ることができるでしょう。
このように、私はバリアフリーデザインの大切さをよく知って、安心感のある住まいを造っていきたいと考えています。

(本田圭一/エディット・デザインワークス)

1 家族が触れあう住まい
2 自然の仕組みを利用する住まい-その壱

3

自然の仕組みを利用する住まい-その弐
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5 太陽エネルギー利用を考える
6 住宅の素材を考える-その壱
7 住宅の素材を考える-その弐
8 住宅の素材を考える-その参
9 住宅の素材を考える-その四
10 住宅の素材を考える-その五
11 住宅の素材を考える-その六
12 住宅の構造を考える-その壱
13 住宅の構造を考える-その
14 バリアフリーの住宅-その壱
15 バリアフリーの住宅-その弐
16 バリアフリーの住宅-その参
17 バリアフリーの住宅-その四
18 バリアフリーの住宅-その五
19 バリアフリーの住宅-その六
20 バリアフリーの住宅-その七
21 生活の変化に対応する住まい
22 地域の景観に調和する住まい
23 様々な建て方が実現される住まい
24 ストックを活用する時代へ