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あれやこれや住まいを考える


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  バリアフリーの住宅-その弐

ユニバーサルデザインという言葉があります。
これは前回にも書いたように、どんな人にでも安全で使いやすいデザインという意味ですが、実は日本の住宅とは非常に相性が良くないのです。
例えば玄関。家の中で靴を脱いで生活をする日本人にとって、上がり框と呼ばれる段はなかなかなくせません。
また、和室と廊下の敷居の段なども設計図面などで指示しない限り、敷居の持つ役割もある(例えば塵が入りにくいなど)ことから段差は造られてしまいます。
つまり、これまでの生活様式の中で今の住まいが形作られてきたことが、新しいユニバーサルデザインという考え方に相反する結果となっているのです。

でも、あまり知られていないことですが、家庭内の事故で亡くなる高齢者は、交通事故で亡くなる高齢者とほぼ同じくらいの数に上っています。
高齢者の方にとって安全で住みやすい住まいをつくることは、家族みんなにとって安全な環境をつくることにつながります。
そこで今回は、住宅を具体的に考える上で重要なことを少し整理して挙げておきたいと思います。

1.家の中の床の段差をできるだけなくす

これは、具体的には廊下と部屋の敷居の段差や、トイレ、浴室などの入口の段差をなくすことを意味しています。特に浴室の入口の段差は、なくしにくい部分ではあるのですが、とても重要です。

2.どうしても段のできる部分には必ず手すりを設置する

例えば、階段や玄関の上がり框の部分、浴室内の浴槽の付近は、段差をなくすことが困難な場所ですから、段差を越えるときに身体を支える手すりが必要になります。

3.段のできる部分は足元を照らす照明を設ける

階段や玄関の段の部分は、夜になると暗くなりがちです。
かと言って、全体を煌々と照らすわけにもいきませんから、このような部分には足元だけを重点的に照らす照明器具を配置することで、見えにくさをカバーする訳です。
また、段そのものを明るい色にすると、さらに安全になります。

4.床の材質は滑りにくいもので、かつまったく滑らないものは避ける

ワックスの非常に利いたフローリングなどはとても滑ります。
また、普段の状態では滑りにくいビニル系のシートやタイルも、濡れれば非常に滑りやすくなり危険です。
ところが、まったく滑らない床材も摺り足になりがちなお年寄りにはつまずく元。
床材の選択には慎重を期す必要があるのです。

5.廊下や通路、部屋の入口の幅を少し広い目にする

廊下や通路の幅は特に木造の場合、柱の関係もあって、簡単には広げられません。
万が一、車いすの生活などをせざるを得なくなった場合、あまりに廊下が狭いと対応できなくなります。
また、部屋の入口にも同様のことが言えます。
予め広い目にしておくと、自分の家に住み続けられるのです。

6.その他

収納の高さや家具の配置、照明器具の配置など、細かな部分でバリアをなくす工夫ができます。
また、玄関前のポーチや道路と敷地の高さの関係も工夫次第で安全なものになるのです。

(本田圭一/エディット・デザインワークス)

1 家族が触れあう住まい
2 自然の仕組みを利用する住まい-その壱

3

自然の仕組みを利用する住まい-その弐
4 自然の仕組みを利用する住まい-その参
5 太陽エネルギー利用を考える
6 住宅の素材を考える-その壱
7 住宅の素材を考える-その弐
8 住宅の素材を考える-その参
9 住宅の素材を考える-その四
10 住宅の素材を考える-その五
11 住宅の素材を考える-その六
12 住宅の構造を考える-その壱
13 住宅の構造を考える-その
14 バリアフリーの住宅-その壱
15 バリアフリーの住宅-その弐
16 バリアフリーの住宅-その参
17 バリアフリーの住宅-その四
18 バリアフリーの住宅-その五
19 バリアフリーの住宅-その六
20 バリアフリーの住宅-その七
21 生活の変化に対応する住まい
22 地域の景観に調和する住まい
23 様々な建て方が実現される住まい
24 ストックを活用する時代へ