さて、今回は住宅の素材について書いてみます。
今の日本では住宅産業が発達して、例えば外装材ひとつとっても、様々なメーカーが多種多様な製品を生み出しています。
しかし、最近建材の中に含まれている樹脂や接着剤から、ホルムアルデヒドなどの有害成分が出ていることや、ベニヤを得るために南米や東南アジアの貴重な森林がどんどん伐採されていくことによる地球環境への影響など、大きな問題点も浮かび上がってきています。
こんな状況の中、どのような素材を使って住宅を造るのかということを抜きに、住まいを考えることはできません。
以前にも少し触れましたが、日本の昔の民家は、近い場所で手に入る木や石、土、茅などを適材適所でうまく使いながら造られてきました。
確かに交通機関も未発達な状態の中では仕方なかったとも言えますが、これからの世界で非常に大切な省エネルギーやエコロジー、リサイクルあるいは地球環境への負荷といった観点から、まことに理にかなったものでした。
まず、近くから材料を入手しますから運搬エネルギーが少なくてすみます。
構造体の木は、苗木を植えて世話をしていくことで、構造が傷んで使えなくなるまでに大きく成長して、次の建設に使うことができます。
傷んだ部分は土に帰ります。傷んでいない部分は、次の建て替えに利用もできます。
壁土は崩して練り直せば、また新品同様に使えます。土台の石はもちろん次の建て替えに充分利用できます。
屋根の茅は何年かおきに葺き替えが必要でしたが、毎年茅場で採れた茅をストックしてこれに備えました。
どうですか?
昔の人はよく考えたものだと思いませんか?
そうするしか仕方なかったんだという人は、あまりに昔の人を侮辱しています。
彼らは、大規模な土木技術を持っていなかった分、自然の怖さを知っていて、自分たちも他の動物や植物と共にこの世界に住まわせてもらっている一員だという謙虚な気持ちを持っていたのです。
もちろん私は、昔の民家そのものを造ろうとしている訳ではありません。
しかし、これからの住まいづくりはこのような昔の民家が備えていて、かつ将来の世界で必要な条件を、住宅の中で実現していきたいのです。
私はこの考えのもと、住まいに使う素材について次のような事を心がけたいと思います。
1.できるだけリサイクル(再生、再利用)可能な素材を使うこと
2.再生、再利用できないものについては、できるだけ土に帰る素材を使うこと
3.できるだけ複合材(何かと何かを組み合わせたもの)を使わないこと
4.できるだけ徳島の気候風土にあった素材を使うこと
5.できるだけ徳島の近くで産出、生産される素材を使うこと
6.他のものに置き換えができないものは、できるだけ無機質材を使うこと
7.できるだけ中に住む人にやさしい素材を使うこと
8.できるだけ造り替えのきく単純な素材の使い方をすること
次回からしばらく上記の各項目に沿って、具体的に書いていきたいと思います。
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